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名作 読み物
「手袋を買いに」冒頭
新美南吉の童話。パブリックドメインの作品です。
01:10·Calm Lady・ゆっくり
本文
寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。
或朝洞穴から子供の狐が出ようとしましたが、「あっ」と叫んで眼を抑えながら母さん狐のところへころげて来ました。
「母ちゃん、眼に何か刺さった、ぬいて頂戴早く早く」と言いました。
母さん狐がびっくりして、あわてふためきながら、眼を抑えている子供の手を恐る恐るとりのけて見ましたが、何も刺さってはいませんでした。母さん狐は洞穴の入口から外へ出て始めてわけが解りました。昨夜のうちに、真白な雪がどっさり降ったのです。その雪の上からお陽さまがキラキラと照していたので、雪は眩しいほど反射していたのです。雪を知らなかった子供の狐は、あまり強い反射をうけたので、眼に何か刺さったと思ったのでした。
