日本語リスニング音声
N3 中級読み物
雨の日
漢字の多い、常体の短いエッセイ。
00:48·Dependable Woman・標準
本文
雨の日は、なんとなく気分が沈むという人が多い。けれども、私は昔から雨の音が嫌いではなかった。
子どものころ、雨で外に遊びに行けない日は、窓のそばで本を読むのが楽しみだった。屋根を打つ音、傘の上ではねる音、車が水たまりを通り過ぎる音。耳を澄ませると、雨にもいろいろな声があることに気づく。
大人になった今は、雨が降ると電車は混むし、靴も濡れるし、正直に言えば面倒なことのほうが多い。それでも、仕事から帰って温かいお茶をいれ、静かに雨の音を聞いていると、一日の疲れが少しずつ流れていくような気がする。
晴れた日には見えないものが、雨の日には見えるのかもしれない。
